東京通信

ファッション、カルチャー

シティボーイ論 ニューバランスのスニーカーと無地白Tシャツ

ニューバランスの大流行

ここ数年で一番のヒットと言えばニューバランスのスニーカーで間違いないだろう。ダサいイメージしかなかったニューバランスのスニーカーの印象がガラリと変わり、お洒落アイテムとして完全に定番化した。ランニングシューズのイメージよりお洒落なスニーカーのイメージが強くなったのではないだろうか。

そもそもニューバランスみたいな運動靴は小学校、中学校前半まではみんな履いていたものだ。中学校入ったくらいからナイキとかアディダスとかコンバースオールスターに移行し、運動靴はダサい、イケてないのカテゴリーに追いやられる。今だってミズノとかダンロップの運動靴を履いていたら相当ダサい。多分オタクだってわかっている。2ちゃんねるでもたまにこの運動靴はネタに上がるくらいだ。

それなのにニューバランスは完全にイケている側の仲間入りを果たした。これは相当すごい。ファッションを一周二周した結果、あえてダサいもので勝負して玄人感を出すというテクニックはよくあることだけど、ついに定番化してしまった。これは数年前では考えられなかった現象だ。

無地白Tシャツブーム


今の街中では無地の白Tシャツがお洒落の仲間入りを果たしている。昔ならただの肌着だったあれが。

僕もアメリカンアパレルのVネックTは前からずっと着ていたけれど、そもそも丸首の無地T自体相当ハードルが高かった。昔ならVネックでなんとかファッションの体を保っていたのがついには丸首の方がむしろファッションらしくなっている気がする。もちろんVネックTは定番だから廃れることは絶対にないのだが。

そういえば最近白ソックスも流行っている。スケーターっぽいラインソックスやアーガイルのソックスが流行ったりというのはこれまであったけれど今は真っ白なソックスだ。これのロジックも無地白Tと全く同じである。

運動靴にも通じるのだが、男子は中学校くらいからくるぶし丈ソックスを履き始める。ジャージの短パンに白い長靴下ではものすごくダサい。運動靴と白い長靴下からの卒業が人生におけるファッションへの目覚めと言っても過言ではない。

ポパイの復活とシティボーイ

長らくメンズノンノの下位互換の雑誌に甘んじていたポパイが2012年4月からリニューアルされた。そしてポパイの原点回帰ということでシティボーイが一つのテーマになっている。

誌面ではイケメン過ぎない絶妙な外国人のモデルがこれまで挙げてきたようなアイテムを着こなしている。シンプルかつ清潔感のあるクリーンな感じが今のファッションシーンには新鮮で受け入れられたのだろう。
色んなジャンルを通ってきた結果、基本に忠実でシンプルな方向に向かうのは当然と言えば当然なのかもしれない。