東京通信

ファッション、カルチャー

東京ストリート④モードの今

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エディ・スリマン特集ということで買ってみた。自分は全くモードの服を買ったことがないし好みでもないからモード論について語る資格なんかない。まあ一応人よりはモードについての文献を読んできたしモード系のブランドも知っている。ただそれだけ。川久保玲の哲学的な言葉に心打たれたこともないしエディ・スリマンの熱狂的信者でもない。
自分はあくまでリアルクローズが好きだ。ストリートブランドもいわばリアルクローズの延長線上にある。
まあでも結局街のストリートにはストリート系もモード系もラギッド系も混在しているわけで、そういうストリート視点からモード系の今にフォーカスする。

はっきり言えることは全身モード系は本当に減ってきている。(何をもってしてモード系なのかの定義は曖昧なのであくまで僕の独断と偏見で)黒のスキニージーンズにヒールブーツやドレスシューズで全体的にモノトーンな感じの人はかなり珍しくなっている。もっと言えばモード系ブランドで全身固めた格好の人がめっきり減った。

モード系を語る上でやはり外せないのはスキニージーンズだろうか。パンクだったりブリティッシュなスタイルにとっても欠かせない存在だがどうしてもエディ・スリマン時代のディオールオムのスキニーがストリートスナップを占拠していた時代が個人的に印象深い。穿いてみると他のパンツ穿けなくなると聞いたが当時学生の自分にはそんな情熱も財力もなかった。

いや今さらよく考えたらモード系と言えばコムデギャルソンやヨージヤマモトのような黒のワイドパンツの方がそれっぽいか。まあいずれにせよ超タイトか超ルーズなモノトーンコーデが一般で言うところのモード系で差し支えないないだろう。

モード系が廃れた理由をエディ・スリマンディオールオムを去ったからだとか誰か言ってたような気がするが、全く僕はそう思わない。結局ファッションに流行り廃りはつきものだ。裏原が流行ったら古着が流行って、今度はモード系が流行ったかと思ったらみんな気づいたらニューエラかぶってニューバランス履いてるような、そんなもんだ。
それでもなおずっと第一線に存在し続けるコムデギャルソンはすごい。クリエイションとビジネスをここまで成功させたブランドはたぶん後にも先にも現れないだろう。それぐらい傑出している。

最後に、全身モード系の人の傾向についてどうしても私見を述べたい。
僕は今まで全身モード系に固めていた人がいきなりユニクロダウンに妥協していく姿を何度か見てきた。馴染みの美容師にその話をしたらめちゃくちゃ共感してくれたのである程度信頼できる傾向だと思う。

結局ファッションは後ろにあるカルチャーと密接な関係にある。リアルクローズは様々なカルチャーがバックボーンにあるから幅広い年齢層から支持されるし長く楽しめる。
ではモード系のバックボーンとはなんなのか?と考えると意外に難しい。文字通り最新の流行を追う必要があるので過去のカルチャーという要素が薄い。しいて言えばアートだろうか。
つまりモードのバックボーンにあるカルチャーは何とも得体の知れないものであり、これがモード系の人がある日突然モードから脱落してしまう理由だと思う。
コムデギャルソンの場合は川久保玲という圧倒的な存在そのものがカルチャーと言ってもいいだろう。

モード、流行、川久保玲、・・・僕は服飾系の専門学生ではなく毎日スーツを着て満員電車に乗っている単なるサラリーマンなので今回はこの辺でやめとこう。これ以上やるとくどい。

Pen+(ペン・プラス) コム デ ギャルソンのすべて (HC-ムック)

Pen+(ペン・プラス) コム デ ギャルソンのすべて (HC-ムック)


てかこのpenっていう雑誌、誌面のデザインから広告の載せ方まで色々ダサい。
もっとビジネスとクリエイションを両立させてください!特集自体はすごくセンスいいです。